拝啓 IDFC2020へ

こんにちは、代表のりつです!

先日大学を卒業しいよいよ社会人生活の始まりが迫ってきました。

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まずは、IDFC2019を支えてくださったすべての方に心からの感謝を伝えたいです。IDFC2019は両国開催という団体として初めての挑戦をしましたが、スポンサー、助成財団、個人サポーター、後援団体、アドバイザー、OBOGの皆様の支援なくしては決して成し遂げられませんでした。

そして、一年間を通して常にこの本会議を成功させるために切磋琢磨して尽力してくれた両国の実行委員一人一人に本当に感謝しています。また、私たちがここまでできたのは紛れもなく参加者のお陰です。私たちを信じて参加を決めてくれた参加者全員に感謝を伝えたいです。

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ネットワーキングディナーでの一枚

今回は私が二年間の実行委員生活で感じたIDFCの良さと今年度得た二つの学びについてお話します。

 

さて、IDFCの良さとは何でしょう。

IDFCの最大の強みと弱みは表裏一体で、100%学生が創り上げているという点だと思います。毎年メンバーがほぼ総入れ替えとなる学生団体であるにも関わらず『毎年新しいことに挑戦し続ける』というカルチャーがあるのです。このカルチャーはたまたま、過年度の実行委員たちが『やりたい!』と心から思えることを見つけ、毎年その想いを形にしてきた結果であり、決して重圧となるべきものではありません。

しかし、IDFC2019の代表に就任した際、シンプルにこの組織を成長させるにはどうしたらいいのかを考えて、従来のキャンプを踏襲しているだけでは私たちのVisionの達成も組織の継続もあり得ないなと思いました。

両国開催はそんな中で新しい挑戦をしたいという思いから出てきた一つの候補でしかなかったのです。夏までは。 

 

『開催に必要なだけの資金が集まらなければIDFC2019はできない』

 

夏に両国での開催が決まったとき、準備を進めても参加者に提供できないかもしれない、支えてくださる方々の期待を裏切るかもしれない、4年間続いてきたこのIDFCを私の代で潰すかもしれない、という事実に押し潰されそうでした。

その後も信頼しているメンバーが両国開催をやるなら続けられないと実行委員会を辞めていったり、お金が集まらなかったり、参加者募集でなかなか成果が挙がらなかったりと正直良いことばかりではなくて、ふと底なし沼に沈んでいくような気がしました。

負の側面しか見えなくなって抱えている問題を解決することで頭がいっぱいになったときにもらった言葉がありました。それは『自分の能力不足による事態の悪化。仲間や部下や社外のパートナーはどこにも行かない。初めと同じく付いてきてくれるのに。』という当時の私の姿を表した言葉。はっとしました。進んではいたものの、問題に足を取られて今いるメンバーに対してのケアがおろそかになっていることに気づかされました。

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上のノートと同日に書いていたノート

 

良い点、今できることに目を向けて自分の行動を変え、他のメンバーやOBOG、外部パートナーたちに積極的に働きかけたとき、状況は確かに変わりました。

私が日本で解決の糸口を見つけた頃、ちょうどミャンマー側実行委員たちの快進撃でどんどん状況が好転していきました。

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ミャンマー人実行委員から新規のスポンサーを獲得したと聞いたときの感動は今でも忘れられません。

ここまで頼もしいカウンターパートを持てた私たちは本当に恵まれていました。日本人実行委員たちの努力にはもちろん刺激をもらいましたし、ミャンマー人実行委員たちのプロフェッショナル意識と継続的なコミットメントには圧倒されました。文化的な違いや言語の壁を乗り越えて、資金面、コンテンツ面共に当事者意識を持って本会議を実行できたIDFC史上ベストの年だと胸を張って言えます。

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そんなIDFC2019というIDFCにとっての転換期の日本側代表を務めさせていただけたことは私の人生の中での宝物のような経験です。

 

私はこれまでの人生、辛いこと・嫌なことがあったときは常にうまく逃げてきました。相手の表情を伺い、相手の言って欲しそうなことを話してきました。でも、今年度初めて向き合い続けることで二つの大きな学びを得ました。

一つ目は『組織の中で大きな決断を下すとき、全員が納得する便利な解決策などない』ということ。ついついみんなの意見を聞き入れて折衷案を選びたくなりました。でも、そんなものはなければ、そんなものを中途半端に決めて進めても結局後で歪みが出てくる。では決断の軸は何なのか。それは、『この組織のVisionに沿って今後この組織を継続させるにはどうすればいいのか、と参加者にどんな経験を提供したいか』です。

二つ目は『信頼関係の構築』と『共通認識の醸成』です。

信頼関係なしに運営や準備はできないし、共通認識なしに実行はできません。信頼関係の構築にはオンラインのみならず、オフラインでIDFC以外の話(恋愛とかテスト勉強が大変だとか)をするような時間も大切です。共通認識の醸成にはドキュメントやリストを作成し、見える化して、その認識の背景(ミャンマー・日本の文化の違いとか)まで説明して理解することが大切です。

当たり前だろ!と思うのですが、これをVision・Missionから参加者への配布物に至るまで徹底することは意外と骨が折れます。

でも、だからこそ共通認識がうまく取れて参加者に良い形で提供できたときの喜びもひとしおなのです。

 

こんな偉そうなことを言っていますが、代表として完璧だったわけでもないですし、時には情けなかったり頼りなかったこともあったと思います。

それでも、今の私の姿はきっと1回生のとき参加者だった頃の私が見たらびっくりして信じてもらえないと思います(笑) 

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渡される側(IDFC2016)から

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渡す側(IDFC2019)へ

私事ですが、大学1年次でのIDFC2016参加後、次年度に控えていた留学との兼ね合い、そして自信の無さから実行委員に手を挙げませんでした。一年を通し、別の大学・団体で活動をし、ふと留学を終える時期になってIDFCでの経験が頭に浮かびました。


多様な参加者が集まって、似ていないけど同じ方向を向いている感覚。多くの社会人との繋がりを持ち、参加者に成長の機会を提供する姿勢。マンダレーで体調を崩して寝込んだ私に、お粥とポカリを持ってきてくれたマネジメントのマメな気遣いへの感動。


「今ならIDFCに、別の環境にいた出戻りだからこそ出せる価値があるかも」「参加する側じゃなくて、新たな参加者に人生の変わるような経験を提供する側に周りたいな」そんな思いで帰ってきました。


二年やってみて思ったこと、それは「いろんな大学、学年の人と、休学も留学もせずここまでできちゃうんだ。」ということ。

IDFCは学生だからこそ与えていただけるビッグチャンスじゃないかと思います。

財団やスポンサーの方々から資金提供を受け、様々なセクターの方々にサポートを受けながらも、スポンサーやOBOGの指図をほとんど受けずに、その年の実行委員が達成したいことを、ゼロから作っていく。しかも1年で、大学に通いながら。

参加者のときに見えていたIDFCと、実行委員から見えるIDFCは違います。自分がどれだけ動いて、リソース(お金、ネットワーク)や共に運営する仲間を動かし、自分と組織のゴールを達成できるかにかかっているのがIDFC。


だからこそ、IDFCの実行委員になるかどうかは「できるか」じゃなくて「やりたいことがあるか」です。


IDFCは「びっくり箱」みたいなもので、何を出すかを決めるのは、その年の実行委員です。そんなIDFCだからこその資金繰りやメンバーマネジメントの難しさももちろんあります。しかし、大きな壁がいくつもあるからこそそこを越えたときに見られる参加者の喜んでいる表情を見たときの感動は言葉では言い表せないほどです。

 

次の年がどんな年になるか、私もわかりません。

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IDFC2019参加者の恵奈ちゃんと面談中

6年目、恐らく今年度とはまた違った壁にぶつかることと思います。OBOGも上手に活用しながら乗り越えて、さらにアップデートされたコンテンツを参加者に提供することで、IDFCに関わる全ての人に達成感と満足感を与えてくれたらそれほど嬉しいことはありません。

そして、英語も話せずビリっけつで参加者選考を通過した一回生の頃の私を支え、代表に徐々にしてくださった皆様、心からの感謝でいっぱいです。

私は一番能力が高いから代表になったのではありません。IDFCをもっと良い場にしたいという思いをもって自信がないながらも立候補して、そんな私を周りのメンバーが支えて、時には叱りながら少しずつ代表にしてくれたのです。本当に三年間私を育ててくださってありがとうございました。

 

最後に...IDFCは参加者と実行委員だけのものではありません。応援してくださり、関わろうとしてくださる方々全員のものなのです。来年度も是非一緒にIDFCを創り上げてくだされば幸いです。どうぞ来年度もIDFCをよろしくお願いいたします!

一年間本当にありがとうございました!