IDFC2017 Day 3 ~Community Development分科会~
みなさんミンガラーバー!
日本側副代表・企画の和田幸子です。
私からは、Day3のCommunity Development分科会のField workについてシェアさせて頂きます。
私たちは、マイクロファイナンス・プロジェクトの視察を、ヤンゴン郊外にて行いました。
そこは、Socio Lite Foundation(Non-profit microfinance organization)とLinklusion(マイクロファイナンス機関に対してITシステム導入・コンサルティングを行う株式会社)が共同して「貧困層の生活水準を底上げする」ことを目指してプロジェクトを進めていました。
*ちなみに、Linklusionは黒柳さんが代表を務めるベンチャー企業です。去年夏のインタビュー記事もご覧ください。
この日に行ったことは4つです。
⑴U Naing Winnさん(Socio Lite Foundation, founder&president)と黒柳さん(Linklusion, managing director)とのディスカッション
⑵集会の見学
⑶家庭訪問・インタビュー
⑷ソーシャルマガジンのコンテンツを考えるワークショップ
それでは、順にご紹介します!
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U Naing Winnさんと黒柳さんとのディスカッション
テーマは「ミャンマーの貧困はなくなると思うか?もしそうならいつ?」
(真ん中で話されているのがWinnさん、その左にいらっしゃるのが黒柳さん)
Winnさんはパッションに溢れる方ですが、この質問に対してこれまでのご経験や知性に基づいた厳しい回答をいただきました。
“Poverty is endless.”
私にとっても、参加者にとっても心に刻み込まれた言葉でした。
Winnさんからこの言葉を聞き、貧困というのはそれだけ深刻な問題であり、しかしながら、それに対して取り組み続けることも同時に大切なことなのだと感じました。
“They have to recognize themselves poor.”
この言葉も個人的につよく残っています。
貧困層の人々は、自分たちが相対的に所得が低く、生活や衛生、教育等の水準が低いことを認識していない人が多く、それをWinnさんは問題だとおっしゃっていました。
たとえ貧困層であっても、幸せを感じている人々はたくさんいます。
むしろ、自分より上の人の存在を知ると比べてしまい、劣等感を感じるなど、むしろ不幸せになるのではないか、そう考えることもできます。
しかし、Winnさんも黒柳さんも、やはり生活水準が低いことには良くならないのだから、彼らのあらゆる水準を上げ、機会を増やすことで、よりインクルーシブな社会にすることの重要性を訴えていました。
“Educate. Transform, Uplift.”
これは、Socio Lite Foundationのキーワードです。
人というのは結局どんな状況であっても他人と比べてしまう生き物だと感じます。だったら、あなたは貧しいと伝えることに対して、一概に彼らを不幸にするとは言えないと感じました。
むしろそれを伝えた上でいかに彼らをモチベートしていきTransform. Uplift.していくかが大事なのだなと感じることができました。
集会の見学
マイクロファイナンス事業では、支援をしている方々(主に女性)の地域にて、週1回程度の集会を行います。
お金の使い道や、増やし方、Socio Liteの規則を一緒に読み上げるなどといったことを行います。
ちなみに規則はこちら⤵
Code of Conduct
1. I promise to work hard and smart.
2. I promise not to engage in any type of gambling activities.
3. I promise not to take advantage of others, will live in harmony with my community, and will aid those who need help.
4. I promise to save money.
5. I promise to ensure my children regularly attend school.
6. I promise to take good care of my family.
(集会の様子.左下の男性がSocio Lite Foundationの方.並んでいるのが支援を受けている女性方)
家庭訪問・インタビュー
支援を受けている女性のご家庭に実際に訪問し、インタビューをしました。
(グレーの服を着ている方にインタビューしました。)
夫の稼ぎで基本的には生活しており、女性自身が稼いだお金は貯金しているとのことでした。しかし、それだけでなく地域のための寄付金にもしているとのことでした。
また、お二人は子どもはいないけれど小学生くらいの女の子がいました。日本では普通考えられない"遠い親戚"と言える関係でありながらお世話をしているようでした。家族や地域の結束のつよさのようなものを感じました。女の子のご両親は中国の方で働いているとか・・出稼ぎでしょうか。
もう一軒訪問しました。
女性のご家庭に訪問して早々、ミャンマーならでは!なことが起きました。
すぐにインタビューが始まるかなと思ったのですが、なかなか席に着こうとしない。
どうしてかなと思ったら、お家にある仏様にお祈りをするところの近くには、男性で目上の人が座るのだそうです。
(右の女性の方にインタビューしました.左上の棚の一番上に仏壇?のようなものがありました)
IDFC参加者の日本人みゃんまー人男子二人が、仏壇に近い方をひたすら譲られ座ることになりましたw
ソーシャルマガジンのコンテンツを考えるワークショップ
Linklusionは、マイクロファイナンスの支援を受ける人々が、必要な情報が十分に得られないということで、彼女らを対象にした無料のマガジンを発行しています。その名もMango!
このワークショップでは、まずLinklusionでインターン中の日高さん(大学生)に、Mangoを作ることになった経緯や読んでいる人々の詳細、そして創刊号について話していただきました。
そしてそれらとインタビューしたことを参考に、IDFC参加者は次なるマガジンのコンテンツアイデアを考え、発表しました。
(発表に向けたグループワークの様子)
(発表の様子.マイクロファイナンスの支援を受けてどのようにして女性が成功していったかを取り上げる記事を提案してくれました)
★英語を気軽に触れられる1ページ
★最近変更があった教育制度についての記事
などなど、様々なアイデアが出されました。
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最後に、このフィールドワークでは、日本人のみならずミャンマー人参加者にとってもはじめて訪れるような地域だったという声があり、刺激ある機会になったのではないかと思います。
(最後にみんなで写真を撮りました.前列左から4番目の方が日高さん。ワークショップの企画ありがとうございました)
今回このような機会をくださったSocio Lite Foundation及びLinklusionの皆様ありがとうございます!